コミュ障の戦い方〜飲み会なんて行かなくていい〜
社会人になってから「自分はコミュ障だ」という事実を突きつけられもがき苦しんでおりましたが、3年目の5月、令和になってようやく解を見つけたので備忘録と自戒を込めて。また、もし同じように苦しんでいる方がいたらお役にたてたら嬉しいです。
おまえほんとコミュ力低いな
今の会社に新卒で入って営業に配属されてから度々言われてきたこの言葉。でも学生まではそこまで意識することがなかったので、どうしたらいいのかわからず本当に路頭に迷っておりました。
先日、僕が勝手に大尊敬している元USJ,現刀の森岡毅さんの著書を読みましてそこで、人の能力には大きく分けてLeadership, Thinking, Communication, (Design)の特性があり、その凹凸に合ったことをしなさい、というお話がありました。
苦しかったときの話をしようか ビジネスマンの父が我が子のために書きためた「働くことの本質」
- 作者: 森岡毅
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
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コミュニケーションでめちゃくちゃ苦しんでいて「もっと考えすぎないでとりあえず動け」と言われまくっていた僕は迷わずThinking偏重型にしました。でも、少し違和感があったのが、僕人と話すのは好きなんです。その人が何を考え、何を感じて生きているのか聞いたり、自分の知らないことを教えてもらったり。そういうの話や議論は大好きだし、それも会話のはずなのに、なぜかコミュニケーション能力は低いと言われる。はて、これはどういうことだろうと思い、思考を整理してみました。
コミュ力という言葉の定義の広さ
これに尽きると思います。コミュニケーションの意味を調べると、人間が互いに意思疎通することみたいな感じです。
とすれば僕は誰かと真面目な話をするのは好きで会話も盛り上がるので、コミュニケーションはできている気がします。でもコミュ力が低いと言われるのはなぜなのか。なのでコミュニケーションをもう少し分解してみました。
大勢か少数か、雑談か真面目か
ちょっとコミュニケーションぽいものをプロットしてみたのですが、人数と内容の2軸で切れるのかなと思います。
こんな感じで、みんなで騒ぐ飲み会、みんなで議論する会議、二人で楽しむデート、二人で話し合う面談、のような形です。先ほどの話に戻ると世間一般でいう「コミュ力」は右側でバリューを出せる、つまり「大勢がいる中で、どの人とも一定以上仲良く会話できる」ということだと思います。
ただこれもよく考えると、パーティで常に参加者全員と話すわけではなく、時々で少人数の輪を作りながら話すと思います。僕なんかはこの時点でうまく立ち回れずに端っこで寂しくあぶれたもの同士で喋ったりするんですが(これが意外と盛り上がる)、すごい方は色々な輪の中に入ったり出たりしながら上手く立ち回り、それぞれで適した会話をして場を盛り上げます。
つまり、右上でバリューを出す=立ち回るポジショニング力×右下(1対1)でバリューを出せる という流れになります。
そこから、これはよく言われていることですが「お互いの共通点」を探して会話を盛り上げて、親密度を高めて信頼関係を構築していきます。
ここが盲点だったのですが、僕は今まで属してきたコミュニティでは割と楽に共通点を見つけられていました。なぜなら、比較的志向性が似通った真面目な集団に属していたからです。しかし、素の自分とかけ離れた雰囲気の職場に入ったため、この共通点探しでめちゃくちゃつまずきました。いやそもそも志向性が全然違い僕は酒金女に全然興味を持てなかったので「娯楽」で共通するものがほとんどありませんでした。
こんな感じで各コミュニケーションを経て関係性がトランジションするなら、基本的にこういう場ではライトな話で盛り上がって仲良くなり、3次会や後日のサシ飲みで真面目な話も織り交ぜて信頼関係を構築していくのが"ビジネスマンのアタリマエ"だと思っていたので、僕は2ステップ目で豪快につまづき全然真面目な話ができない、信頼できる人がいない、どうしよう誰に相談しよう、、、という状況が続きました。
ただここまで整理して初めて「自分は大勢で会話しているときに共通点を見つけるのが苦手なんだ」ということに気づきました。逆に考えれば、共通点さえ見つけて1対1に持ち込めれば楽しく会話できるのでは?と仮説立て。
仮説を立てたら後は検証あるのみ。僕の大好きな仮説思考でバンバン動きます(仮説思考についてはこの本がわかりやすいです)
営業 野村證券伝説の営業マンの「仮説思考」とノウハウのすべて
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共通点は趣味で探すと難しいですが、仕事はみんなやっています。しかも最初から自分の好きな真面目な話に持っていけるので一石二鳥です。そして、ここは少しハードルありますが相談したいなどを口実にご飯に誘ったり、時間をもらったり。ランチの方が誘いやすいです。実際にやってみると、飲み会でのテンションは全くついていけなかった先輩が、実は仕事論や人生観はすごく似ていて意気投合しちゃうなんてこともあり、普段は見えていない一面がみえるようになりました。普段のちゃらけた姿だけで判断していたら絶対にわからなかったことです。
こうしてコミュニケーションにおいて自分の得意なポジションまでスキップできることに気づいてからは、職場の人間関係で困ることも減りました。もし「コミュ力を高めるためにナンパしまくる!」とかいうわかりやすい打ち手をしていたら、上手くいったかもしれませんが相当疲弊したと思います。
「コミュニケーション」という実はぼんやりした言葉に惑わされず、自分はどの場面で誰と何を意思疎通するのが苦手なのか、今一度具体的に考えてみると対策を講じやすいのではと思います。
余談・・・営業活動も同じかも
実は営業でも同じ考え方が使えるということに気づきました。僕はお客さんと仲良くなるのが苦手で「今度飲みに行くわ!」みたいな同期はすごいと思っていたのですが、僕らの目的は担当者と飲むことではなくお客様に最大価値を発揮して貢献することです。ただ、リレーション(関係構築)とソリューション(課題解決)といわれるように、営業では往往にして関係構築をベースに課題が発見できて、解決につなげられることが多いのも事実。そうすると、関係構築が得意な人(=コミュ力が高い人)が有利になります。
だからといって諦めるかというとそうではなく、ここでも仕事を共通点にして攻めます。そのために業界知識を死ぬほどインプットして、同じ視座でマーケットを語れるようになります。これは、接待のために一発芸を仕込んだりゴルフの練習をしたりするのと同じような発想です。